自己紹介でも書きましたが、私は美大に通っていたわけではありません。元々絵を描くことが大好きだったけど、中学生頃から描くということをめっきりしなくなりました。勤めだした診療所で、ポスターなどを制作する時に、ワンポイントでイラストを描くくらい…
(私の体験談なぞどうでもよいから手っ取り早く手順を話せ!という方は読み飛ばしてくださいね!)
6年ほど前から、とあるゲームにはまりました。
そこで仲良くなった人たちと交流するために、人生で初めてSNS(X)に登録。
そのついでに、ゲーム内の自分のアバターを使った、ゲームの実録漫画を投稿してみました。
そのゲームの運営様は「節度を守った二次創作ならどんどんやっちゃって!」というスタンスで、これが描きだしたら絵日記みたいで本当に面白い。
その頃はスマホで、アイビスペイントを使用して、指で描いていました。
使用されている方も多いのではないでしょうか。デジタルお絵描きを始めるところなんだけど何を使えばいいの?という方にもおすすめです。
このSNSでの活動なんですが、思いのほか反響がありました。
ゲーム内の友人との面白おかしい出来事を実録漫画にしているうちに、フォロワーが7000人に迫ってきたのです。これにはとても驚きました。
そして思ったのが、「絵を描くって、やっぱりたのしいな」ということと、「自分の描くものを見てもらえるのって、こんなに嬉しいことなんだな」ということでした。
で、そこから、コロナ渦が始まりました。
ド田舎の小さな小さな診療所に勤めていた私でしたが、その敷地の車庫でなんとか運営していた発熱外来には、毎日恐ろしい数の患者さんが受診されました。
頑張らなきゃ、頑張らなきゃ、とお昼ご飯も食べられず、毎日残業して、休日も返上でたまった仕事をさばきに出勤していました。
そんな生活が3年。
さすがに体がおかしくなって、心も疲弊してきて、コロナ渦という言葉が終わったとき、診療所を退職しました。
今思えばよくやってたなあ。
支えてくれた家族に感謝の言葉しかありません。
さて。前置きが長くなりすぎましたが、診療所をやめた私が一番最初にやってみたのは【ストックイラスト】でした。
こちらが私が初めて登録したストックイラストサービスの「イラストAC」です。
ストックイラストとは?
例えば教材の隅にある説明イラスト、例えば近所の店のチラシの装飾、例えば有名ブログの記事の中の画像、例えばあの動画の中で出てきたキャラクター…ストックイラストはどこにでも活用されています。
簡単に説明すると、
ストックイラストとは、ストックイラストサービスに登録されたイラストのことを指します。イラストレーターやクリエイターが自分で制作したイラストをストックイラストサイトに提供し、審査を経て登録が完了すれば、誰でもダウンロードして使用することができます。ウェブサイト、プレゼンテーション、広告、ブログ記事など、幅広く使用される素材で、著作権フリーまたはライセンス付きで提供されています。
ストックイラストでどうやって収益が発生するの?
ストックイラストサイトにはいろんなサイトがありますが、共通して言えるのは「ダウンロードしてもらえれば、それに応じて報酬が貰える」ということです。
得意なことを生かして副業をしたい、ちょっとしたお小遣い稼ぎがしたいという方々に人気のサービスです。
AdobeStock、PIXTA、Shutter stock…ストックイラストサイトは沢山ありますが、私が利用しているサービスは「イラストAC」さんです。それぞれのサービスによって1ダウンロード当たりのクリエイターへの報酬は変わってきます。以下に簡単にですがまとめてみました。
イラストAC
1ダウンロードに:4.36円
(安全確認を行っていない場合3.56円)
AdobeStock
1ダウンロード:0.33ドル〜26.40ドル程
(2024年6月13日時点の1ドル=157.21円で計算すると、51円~4150円)
PIXTA
・定額制での購入:1ダウンロード当たり25~45円程
・単品での購入:1ダウンロード当たり100~1500円程
Shutter stock
1ダウンロード:0.1ドル〜
(2024年6月13日時点の1ドル=157.21円で計算すると、15円~1000円を超えることも)
調べればまだ出てきます。サービスごとに単価・登録できるデータ形式等、違いがあります。
併用している方もたくさんいらっしゃるので、気になる方は調べてみてくださいね。
こうして見るとイラストACさんの報酬額が一番低いように思います。
だけれど、今からストックイラストの世界に歩みだすぞー!という方にはイラストACさんをおすすめしたいです!
もちろん個人的な意見ですが、下記に思い当たる節がある私のような方には、ぜひとも検討してもらいたいです。
- 普段iPadやアナログでお絵描きをしている
- 隙間時間に描いたものを素材登録していきたい
- 水彩・厚塗り・ペン画等、手描き風のイラストが得意
イラストACの特徴
他サイトより圧倒的にダウンロードして貰いやすい
なぜにイラストACをお勧めすかというと、率直に言うと、ダウンロードされやすいからです。
ド素人であった私でも初月からダウンロードしてもらえました。
これはイラストACが「無料で素材をダウンロードできる」サービスだからです。
無料で様々な素材をダウンロードができるイラストACには、多くのダウンロードユーザーがいます。
お金がかかるなら吟味に吟味を重ねて素材を選ぶけれども、タダなら「ちょっといいな」「とりあえずダウンロードしておくか」といった方々にもダウンロードして貰えます。
ちなみにPIXTAやAdobeStockなどは、素材をダウンロードするのにお金がかかります。
単品で購入するのか定額サービスによってダウンロードするのかによって、またダウンロードしたい素材のデータサイズ等によっても価格は変わります。
人は【無料】という言葉を前にすると、途端に思考が緩くなる生き物
私のことです。
でも本当に、ダウンロードされやすいです。
例えばお店のショーウィンドウに貼るデカールなんかを探している場合、大きなサイズのものが必要でしょう。
人目を引くような卓越した見た目と、店舗の顔となるにふさわしい洗練されたデザインが求められるはずです。
- 大きなサイズが必要=Adobe Illustratorによるベクターデータが好まれる
- 卓越した見た目・洗練されたデザイン=上記ソフトを使用して、高い対価を支払ってでも利用したいと考えて貰えるようなデザイン力
そういった技術を持っていらっしゃる方は、単価の高いサービスを利用なさってください。
1回ダウンロードされるだけでも、懐に入ってくる金額は大きいです。
是非ともチャレンジしてみてください!
「いつものタッチで、さらさらーっと時間をかけずに描きたい」という私のような方々。
ぜひ、一緒にイラストAC始めてみましょう。
「ダウンロードされやすい」って、とても大事だと思うんです。
何ごとも、初めて挑戦することに対して大切なのはモチベーションです。
継続が大事なのに、なんの反応もなかったら気力が失われていきます。
でも好ましい反応が返ってきたら、「明日からもこつこつ頑張る!」ってなるはず。
AIやESPデータがなくても大丈夫。JPEGやPNGだけでもダウンロードしてもらえるよ。
そりゃあ、きっとAIデータもあった方が、いろんな需要をカバーできてダウンロード数は増えると思います。でも私がやりたいのは「片手間・隙間時間に、息抜きで描いたものを素材登録したい」というもの。残念ながら不出来な自分では「息抜きでIllustratorで素材の制作」はできませんので、JPEG・PNGのみの登録を行うことに決めました。
今はiPad版・PC版どちらのイラレも、既存のラスターデータをベクター化するという魔法のようなことが可能なのですが、どうしても水彩風・手書き風のイラストをベクター化すると隙間ができたり色の変換の失敗が起きたり、データが重くなったりして、そちらの修正に時間を取られてしまうので私はやめました。(夢のようだな!と飛びついたのですけども)
クリエイター登録は無料でできる
基本、ストックイラストサイトへのクリエイター登録は無料です。
イラストACについても同じで、クリエイター登録して素材を投稿し、収益を得るまでの工程でお金がかかることはありません。
普段使っているデバイスやお絵かきソフトを使用して素材を制作すれば、元手は必要ありません。
無料で初めて隙間時間のお絵かきが収益になるなんて、すごいですよね!
新しい案件に繋がることも
イラストACにクリエイター登録すると、プロフィールページを持つことができます。
自己紹介や自分が制作した素材たちが表示されるのですが、その中に「お仕事依頼メールを送る」という項目があります。
文字通りクリエイターに依頼を送れるシステムです。
素材のテイストを気に入ってもらえれば、「似たようなテイストでこういったイラストを描いてほしい」という案件が飛び込んでくる可能性も。
コメント機能だってある
時々コメントを頂くこともあります。
私は食べ物の素材もたくさん登録しているのですが、その関連でお弁当に入れるバラン(草むら?の形をした仕切りです)のイラストも描きました。
で、その時に「自分がこれらを印刷して、切って貼っておままごとごっこをしようと思ったら、斜めから見たバランだって必要じゃないか」という気持ちになりました。なので正面・斜め・もっと斜め、をそれぞれ明るい色と暗い色で作り、投稿。
絶対需要はないだろうと思われたのに、なんとコメントを頂きました。
バランのバリエーションが豊富で笑っちゃいました。
かわいいバランありがとうございます!
とっても嬉しかったです。しかも定期的にバランがダウンロードされています。
いやあ、どこにでも需要はあるものですね。
「どんなイラスト描いてるの?」「どんなふうに表示されるの?」という方は、私のプロフィールページでよければ下記リンクから参考にしてください。
「おままごとに使うから斜めのバラン、ダウンロードしてあげるよ。」という方も覗いてみてくださいね。
おにぎりやらタコさんウィンナーなんかと一緒にシール台紙に印刷すると、おままごとが捗りますよ。
イラストACを利用するにあたっての注意点
ここまで読んでくださった熱心な方々は、きっともうたくさんのことをお調べになってご存じかと思いますが、イラストACを利用するにあたって注意点もあります。以下に大まかに纏めてみました。
- 著作権はイラストACに譲渡される
- 他のストックサイトに同じイラストを登録できない
著作権はイラストACに譲渡される
まず一つ目「著作権はイラストAC に譲渡される」。
こちらが他のストックイサイトとの一番大きな違いかもしれません。二つ目の注意点もこれが絡んできます。
ちなみに著作者人格権は他人に譲渡することはできないので、「主張しないでね」とイラストACの規約にあります。
- 著作権ってなあに?
-
複製権、展示権、二次著作物の創作権等、全部で15もの権利をひっくるめたものをいいます。難しいのでものすごーーく簡単に言うなら、「自分が制作したものをコピーしたり、配布したり、SNSにあげたり、展示したり、二次創作物をつくったりも自由。なにもかも独占的に利用できる」という権利です。端折りすぎているので、一度調べてみてくださいね。
- 著作者人格権ってなんなの?
-
公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つからなります。「自分が作ったものを公表するかしないかを決められる」「自分の制作物を公表する時に、自分の名前も公表するかしないか決められる」「自分の制作物の内容を、無断で改変されない権利」のことを指します。
法律の話になると途端に頭が働かなくなるんだ…
私もですとも。小難しい話は賢い方々が詳細に纏めて下さっている記事を参考になさってください。
私がお伝えしたいのは、「自分にとって愛着のあるキャラクターなんかは、イラストACに素材登録してはいけないよ。」この一点です。
イラストACに著作権を譲渡したイラストは、簡単に言うとあなたの子供ではなくなります。新しい親の許可なしに子供を連れまわしたりはできません。「改変してはいけない」という著作者人格権についても主張するなかれ、とありますので、もしかしたら「生み出したその時はポニーテールだったあの子が、ツインテールに改変されてどこかで使用されている」なんていうこともあるかも…。
ただし安心してほしいのですが、「これ、私が作ったんだよ」と言うこと自体を止められているわけではないんです。
- SNS等にダウンロードページのリンクを貼ってOK
- ポートフォリオ等に自分の作風のサンプルとして記載してOK
- その他外部サイト(クラウドソーシングサイト等)の実績等に掲載OK
まだまだ「あ、これもやっていいのね」という、イラストACで許可されていることがたくさんあります。
リンクを貼っておきますので見てみてくださいね。
イラストレーターよくあるご質問|無料イラスト・フリー素材なら「イラストAC」 (ac-illust.com)
他のストックイラストサービスに同一のイラストを登録できない
さて、注意点二つ目の「他のストックサイトに同じイラストを登録できない」。
どうせ投稿するなら、色んな方々の目に触れるよう複数のストックサイトで素材登録できたらいいですよね。
しかしこれについて、一つ目の注意点が絡んできます。
PIXTA、Adobestock等、ほとんどの大手ストックサイトは「著作権はクリエイターに帰属する」となっています。
当然、そこに登録できるイラストも「自分に著作権がある作品のみ」になります。PIXTAとAdobeStockに同じイラストを登録することは可能ですが、イラストACに素材登録がなされたイラストの著作権はイラストAC に譲渡されていますから、PIXTA等に全く同じイラストを登録することはできません。
たくさんのストックサイトを併用し、同じイラストを登録していきたいんだという方は注意してくださいね。
とりあえずまとめ
随分と長くなってしまったので、今回はここまでにしようかと思います。
次回は私個人がどんなツールを使ってストックイラストを制作しているか、投稿頻度の話やダウンロードされやすいなと実感したカテゴリー、また「ぶっちゃけどれくらいの収入・収益になるものなの?」をテーマに記事を書いていこうと思います。
少し前に悩みまくっていた私のような方への、ちょっとした参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
ご意見・ご感想等ございましたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。
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